まだ記憶に新しい仮想通貨取引所CoinCheckの一連の騒動にもろにハマって未だに原資10万円程度が凍結されているMurabitoですが、皆様潤い足りていますか?
身をもって取引所に資産を置いておく危険性を学びまして、ようやくハードウェアウォレット「Ledger Nano S」をこの度入手しました。使用するにあたりStellarや0xやBATなどイーサリウム系トークンの保管方法は迷ってしましたので、忘備録として購入方法、使用方法についてまとめました。
目次
仮想通貨の保存方法
まず最初に購入やAirDrop、Rainなどのバラマキで入手した仮想通貨はどのような保管方法があるのか説明します。方法としては以下5つとなります。
- 取引所保管
- ウェブウォレット
- PCウォレット
- ハードウェアウォレット
- ペーパーウォレット
取引所保管
法定通貨(Fiat)から取引所にて交換・入手した仮想通貨をそのまま取引所に置いておく方法です。Web上で株取引などをしていると違和感が無いかもしれませんが、先日のCoinCheckのハッキング事件などもありますので、現状、仮想通貨に関しては取引所に置きっぱなしの状態は「好ましく無い」を通り越して「極めて危険」と言わざるを得ません。
ウェブウォレット
次にWeb上にあるウォレットサービスを使用する方法があります。これはウォレット運営者が管理運営するサーバーで仮想通貨を管理する方法となります。
そのため、運営者サイドはセキュリティ対策をしていますが、常にサーバーがハッキングの脅威に晒されていることになります。
ウェブサービスであるため、インターネット接続ができればどのパソコンでも使用できます。
有名どころですと blockchain.info などがあります。
PCウォレット
次はPCをダウンロードしてPC上で使用するウォレットです。基本的には1つのウォレットで1つの仮想通貨が保管できます。ウェブウォレットよりもセキュリティは高いのですが、PCが故障した場合やマルウェア(コンピューターウイルス)に感染した場合には、資産が盗まれる恐れがあります。
例としては草コインですがXPのPCウォレットなどがあります。
これらのPCウォレットは基本的にデータ量が膨大なため動作が重かったりしますし、持ち運ぶのも基本的にPCを運ぶことになります。しかし、PCウォレットに保管した後にインターネットの接続を切ってしまえば、ハッキングされることはなくセキリュティ面はかなり高くなります。
また、いくつかのアルトコインはウォレットに保管しておくだけでマイニング(仮想通貨が増える)することができます。
また、PCではなくモバイル端末のアプリをダウンロードして使用するようなものもあります(モバイルウォレット)。
ハードウェアウォレット
USB接続等の機器を使用してオフラインで保管します。そのため使用するにはPCとの接続が必要になり、ハードウェアウォレット単体で仮想通貨を送金したり受領したりすることはできません。
またザックリした説明ではありますが、使用する機器の中に仮想通貨が保管されている訳ではなく、仮想通貨を送金するのに必要な暗号化された「カギ」が機器の中に保管されています。では仮想通貨自体はどこに?っとなりますが、これはブロックチェーン上にデータとして存在しており、ハードウェアウォレットの中に保管されているカギで、そのデータの送金・暗号解読をする仕組みです。
有名どころですと、今回紹介する「Ledger Nano S」や「TREZOR」などがあります。
ハードウェアウォレットは保管している際はオフラインでの保管になるため、ハッキングの心配は少なく、セキュリティ面は現状かなり高い部類に入ります。実用性の面を考えると現状一番実用的でセキュリティが高い方法です。
しかしながら、最近ではハードウェアウォレットを狙ったマルウェア(コンピューターウイルス)も出てきており、感染したPCでハードウェアウォレットに接続すると、知らない送金先を勝手に指定されたりする事があるようです。
Ledger NanoSをElectrum連携でトランザクション生成→認証しようとすると・・・
LedgerにアドレスもBTC数量も異なるのが表示されるんですがこれはどういうことだ?🙄🙄 pic.twitter.com/BVpYanhJcH— DEG@仮想通貨ブログ (@DEG_2020) 2018年2月19日
そのため、いくらハードウェアウォレットとは言え、安全性面において100%無いと考えた方が良いでしょう。
ペーパーウォレット
最後にペーパーウォレットです。このタイプは自分のアドレスと秘密のカギを紙に印刷して、紙媒体で保管する方法です。この方法ではハッキングもマルウェア(コンピューターウイルス)も心配ない、セキュリティーの高さは一番高いです。しかし、紙が濡れたり、紛失したりした場合は資産も消えて無くなってしまします。
ハードウェアウォレット「Ledger Nano S」とは
「Ledger Nano S」とはフランスのLedger社が発売している暗号通貨(仮想通貨)用ハードウェアウォレットです。
2018年2月25日現在、27の仮想通貨に対応しており、1つの機器で4〜5種類の仮想通貨を同時に保管できます。今後も対応通貨を増やしていくとか….。
- BITCOIN
- ETHEREUM
- LITECOIN
- RIPPLE
- BITCOIN CASH
- ETHEREUM CLASSIC
- その他計27種類
Ledger Nano S 購入方法
現時点で信頼できる購入方法は2つあります。
- フランスのLedger社から直接購入する方法
- 日本の正規代理店から購入する方法
私は日本の正規代理店である「株式会社ERTH SHIP」から購入しました。
「Ledger Nano S」本体を選択します。USBケーブルは標準で付属しています。
最近は品薄状態が続いているとのことですが、私の場合は注文してから1週間程度で届きました。
Ledger Nano S 使用方法
開封の儀
設定方法
PCとの接続
PCとUSBケーブルで接続すると「Welcome」と表示された後、「Press both buttons to begin」と表示されますので、2つのボタンを同時押しします。操作方法は基本的には左右どちらかのボタンで「選択」し、同時押しで「決定」となります。
その後、英語で使用方法の説明が以下のようにされます。
Ledger Nano Sでは、サイドボタンを使用してユーザーインターフェイスを操作するよ。
Use left/right buttons to change values and navigate through multiple-choice lists.
左右のボタンを使用して値を変更し、選択肢を選べるよ。
Press both buttons when you wish to confirm/continue or open an application.
アプリケーションを確認/継続するか開こうとする場合は、両方のボタンを同時押ししてね。
To begin configuration, press both buttons.
設定を開始するには、両方のボタンを同時押しだ。
両方のボタンを同時押しすると「Configure as new device? (新しい機器として設定しますか?)」と表示されますので、右ボタン(✔︎)を押します。
PIN code設定
続いて「Choose a PIN code (PINコードを選択する)」と表示されます。PINコードは機器をPCに接続する度にに入力する必要のある4桁〜8桁の番号で、3回間違えると機器が初期化されます。
PINコードを設定します。入力の仕方は左右どちらかのボタンを押して数字を選択し、左右両方のボタンを同時押しすると1桁ずつ数字を決定できます。
PINコードを設定すると、再度確認のため、再入力を求められますので、入力します。
リカバリーフレーズの確認
PINコードの設定が完了するとリカバリーフレーズの記録を始めます。
単語が1文字ずつ表示されますので、24単語を記録します。添付のカードに記録して厳重に保管しましょう。
リカバリーフレーズの記録が一度完了したらリカバリーフレーズの再確認を行います。
リカバリーフレーズの入力が完了したら「Your device is now ready(あなたの機器の準備は完了!)」と表示されます。
一度初期化して復元する
リカバリーフレーズの入力が完了したら基本的には初期設定は完了ですが、ここでは念には念を入れて、あえて機器を一度初期化してリカバリーフレーズで復元を行います。初期化の方法は一度USBケーブルを繋ぎ直して、PINコードを敢えて3回間違えます。すると自動的に初期化されます。初期化されると「Your device has been reset (3 wrong PIN) 貴方の機器はリセットされました(3回の間違ったPIN)。」と表示されます。
一度初期化されると以下のコメントが表示されます。
あなたの機器の設定を復元するためには
use your confidential recovery sheet
あなたの秘密の復元シートを使ってね!
To get assistance contact Ledger support
Ledger社のサポートが欲しい場合は
Website:help.ledgerwallet.com
ウェブサイト:help.ledgerwallet.com
Email:help@ledgerwallet.com
Eメール:help@ledgerwallet.comまでよろしくね!
初期化が完了し、最初に接続した時のように両方のボタンを同時押しすると「Configure as new device? (新しい機器として設定しますか?)」と表示されますので、左ボタン(×)を押します。
すると「Restore configuration?(設定を復元しますか?)」と表示されますので、左ボタン(✔︎)を押します。
その後、24単語のリカバリーワードを1つずつ入力していきます。
リカバリーワードの入力を間違えてしまうと「Recovery phrase is no valid」と表示されます(涙)。この場合はどこかで入力ミスしていますので、落ち着いて再入力しましょう。
リカバリーワードの入力が完了すると、「Your device is now ready(準備完了!)」と表示されます。
アプリダウンロード
機器の設定が完了したら、今度はLedger Nano S公式サイトからウォレットアプリをダウンロードします。アプリはGoogle Chromeのアプリのため、Webブラウザ「Google Chrome」を事前にインストールする必要があります。
公式サイトの「Ledgerアプリ」を選択し、「Ledger Manager」をクリックしてインストールします。
「Ledger Manager」インストールすると、仮想通貨の種類をインストール/削除できる表示が出ます。ここでは試しに仮想通貨「komodo」をインストールしてみます。
続いて、公式サイトから「Ledger Wallet Bitcoin」をインストールします。この際に「Ledger Manager」は一度終了させましょう。基本的にChromeアプリは起動するのは1つづつとした方が誤作動等が無いようです。
保管する仮想通貨の設定
「Ledger Manager」で仮想通貨(ここでは「komodo」)をインストールすると機器のディスプレイにも「komodo」が表示されていますので、「komodo」が表示されているところで左右ボタンを同時押しします。
左右ボタンを同時押しすると「Ledger Wallet Bitcoin」アプリで「komodo」のウォレットが表示されます。
「受信」をクリックするとポップアップ画面が表示されますので「Display Address On Device」をクリックすると受領用のアドレスが表示されますので、コピーしましょう。
取引所や他のウォレット等から上記でコピーしたアドレス宛に「komodo」を送金します。今回は試しに最小単位を送金してみ見ました。するとしばらくすると着金が確認できました。
Stellar lumen (XLM)の設定方法
Stellar(ステラ)のlumen(ルーメン) (XLM)も「Ledger Nano S」を使用して保管できるのですが、こちらはChromeアプリではなく、「Stellar.org」の「Stellar Account Viewer」へアクセスする必要があります。
まず「Ledger Manager」でステラをインストールし、「Ledger Nano S」本体で「Browser support」で「Yes」を選択します。
「Stellar.org」のページからWalletをクリックします。
するとポップアップが表示されますので、「Use with account viewer」をクリックします。
ここで「Stellar Account Viewer」が開きますので、「Sign in with Ledger」をクリックします。このボタンは事前に「Ledger Nano S」本体で「Browser support」で「Yes」を選択していないとボタンを選択できません。
「Stellar Account Viewer」を開くと「Stellar public key」が表示されますので、このアドレスに取引所やその他のウォレットから送金します。送金が無事に完了すれば待って入れば着金が確認できます。
イーサリアム系トークンの設定方法(MyEtherWalletとの連携)
イーサリアム系トークンを保管する場合は、「MyEtherWallet」と連携する必要があるようです。
まず「Ledger Nano S」本体に「Ethereum」がインストールしておきます。通常であればプレインストールされていますので、削除していない限りはインストールは不要です。
「Ledger Nano S」本体で「Ethereum」を選択し、
併せて「Browser support」でも「Yes」を選択します。
続いて「MyEtherWallet」を開いて、トークンの送出をクリックします。
そして「Ledger Nano S」をPCに接続した状態で「Ledger Walletに接続」をクリックします。
ポップアップが出てきますので、そのまま「お財布をアンロック」を選択します。
次にアカウントアドレスが表示されますので、表示されたアカウントに取引所等から送金します。トークンの場合は送金後にトークン残高が表示されます。
実際試しに2つ程、トークンを送金してみたところ、こんな感じで残高が表示されました。
最後に
以上がハードウォレット「Ledger Nano S」の購入〜使用方法までのまとめとなります。
如何だったでしょうか?ボタンの数も少ないですし、使用方法は至ってシンプルですので、慣れれば対応している仮想通貨の種類も多いですし、使い易いかと思います。
何よりも取引所に置きっ放しにしている場合は、ハードウォレットに保管するのでは安心感が違います。CoinCheckでのハッキング盗難事件で未だに資産を凍結されている身としては、何でもっと早く使っていなかったんだろう?と後悔の念しかありませんが、勉強代だと思って諦めるしかありませんね。
取引所に置きっ放しにしている方はまだ間に合いますので、より安全な保管方法を実践されることを強くお勧めします。