さて、最近では仮想通貨などの「新たな技術の革新」にぞっこんのMurabirtoですが、皆様は潤い足りていますか?
今回はそんな「新たな技術の革新」などの側面から今後の経済のあり方やこの先の「世界の変化」について一石を投じる本、佐藤航陽/著「お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (Amazon )」についてのレビュー記事です。
この本を読み終わった時、最初に「ひょっとして自分は大きな時代の転換点にいるのではないか?」という気持ちになった。著者は過去の歴史をなぞり、近年の技術の進歩や社会のあり方の側面から、今後の社会・経済の在り方に一石を投じた「良い意味で破壊的」な内容でした。
「資本主義」を革命的に書き換える「お金2.0」とは何か。2.0のサービスは、概念そのものを作り出そうとするものが多いので、既存の金融知識が豊富な人ほど理解に苦しみます。その典型がビットコインです。あまりにも既存社会の常識とは違うので「今の経済」のメインストリームにいる人たちにとっては懐疑や不安の対象になりやすいといった特徴もあります。そして、それこそが全く新しいパラダイムであることの証でもあります。本書ではまずお金や経済の仕組みから、テクノロジーの進化によって生まれた「新しい経済」のカタチ、最後に私たちの生活がいかに変わるか、の順番に解体していきます。
(「BOOK」データベースより)
目次
本書の構成
- 第1章:お金の正体
- 第2章:テクノロジーが変えるお金のカタチ
- 第3章:価値主義とは何か?
- 第4章:「お金」から解放される生き方
- 第5章:加速する人類の進化
著者について
著者である佐藤航陽氏はどうやら東証マザーズに上場している「メタップス」という会社の社長とのこと。この会社はざっくり言ってしまえば今話題の「フィンテック」企業というやつだ。
事業内容は企業Webページによると、本当にざっくりですが、オンライン決算やビッグデータ融資のファイナンス事業、データソリューション提供やアドソリューション(オンライン広告支援)のマーケティング事業、タイムバンク(時間を売買する取引所運営)や民泊事業支援(コンサル)のコンシューマー事業を中核としている企業のようです。
タイムバンクは「時間を売買する取引所」っていうかなり「前衛的」な事業のようで、そんな面白い発想をする企業の社長が書いた本なので、どんな事が書いてあるのか、読む前から楽しみでした。
本書の内容
この本を書いた目的は「お金や経済とは何なのか?」その正体を多くの方に理解して欲しい、そして理解した上で使いこなし、目の前のお金の問題を解決してほしいと言う事です。(P.11)
本書は著者自身の背景から始まり、著者の視点から見た「お金」や「経済」について述べている。特に「経済」が「自然」そのものに近いものと定義し、だからこそ資本主義が発展したと述べている。
著者はシェアリングエコノミーやブロックチェーンといった分散化技術の進歩により中央管理者が不在の分散したネットワーク型の社会へやがて変化していく事を予見しています。この「分散化」という概念が多くのビジネスモデルに影響を与え、既に始まりつつある「評価経済」や「価値主義」の台頭、やがて、従来は国の専売特許であった「経済」自体を個人やコミュニティが「作り」、複数の「経済」が共存する社会がやってくると述べている。
その結果、人々の労働目的は「お金」から徐々に「価値」を高めるために働くとしている。
感想
「あんぐり」です。本書を読んだ後、驚きで全身に電流が走りました。現代においてこんな「考え」を持っている人がいたのかと、本当に驚きました。
正直、私、Murabitoはどちらかと言えば日々惰性で生きている部類の人間です。しかも既存の社会に縛られている代表とも言える「社畜」をやっている。
だからこそかも知れませんが、こんな「思いも寄らない未来」があるのだとしたら、この世界が著者が述べるような変化をこれからするのだとしたら、こんなにワクワクすることはありません。これから時代がどのように変化していくのか、そして自身はその中でどのように舵取りをしていくのか、考えるだけでもわくわくドキドキが止まりません。
そして近年の「変化」は目まぐるしく、SNSの普及、ブロックチェーン等の技術進歩、年商50億円を超えるインフルエンサーの存在、昨年ニュースにもなった個人が株式会社のように擬似株式を発行することがでるサービス「VALU」の存在などを考慮すると、正直著者の述べるような未来は遠からずやって来る気がしてならない。
「従来のシステムに従属する人間」にとってはかなり「前衛的」な内容ではありますが、だからこそ一見の価値がある。これから社会は間違いなく大きな変化を迎える。その片鱗をこの本を読むことにより「見る」事ができます。
存在し得る未来の可能性の一つを見て見たい人、そんな方にオススメしたい一冊です。