昨年頃から登山用品の軽量化が気になり始めているMurabitoですが、みなさま潤い足りていますか?
さて今回は登山において欠かせない調理器具であるストーブについて2つの製品を徹底比較します。
1つは昨年から使用している、軽さにステータス全振りの固形燃料を使用した超軽量ストーブ、Esbit(エスビット)の「チタニウムストーブ」です。
もう1つはそのタフさからどこでもどんな状況下でも使える汎用性を持ったガスストーブ「イワタニプリムスP-153 ウルトラバーナー」です。
目次
EsbitチタニウムストーブとプリムスP-153の特徴
固形燃料ストーブ
Esbitチタニウムストーブは同社の固形燃料を使用する前提で設計されたストーブです。
同社の固形燃料は主に2つのサイズがあり、1タブレット4gで燃焼時間約5分のスタンダードタイプと
今回私が使用している1タブレット14gで燃焼時間約12分のミリタリータイプの2つになります。
スタンダードタイプはそのまま抜身の状態で箱に入っています。
ミリタリータイプは1タブレットごとに完全防湿ブリスターパックにて個包装されています。
この固形燃料は独特の「イカ臭い(笑)」臭いを持つため、なるべく臭くないようにミリタリータイプを利用しています。
ちなみにEsbitの製品を扱う飯塚カンパニーの製品ページから製品詳細を一部抜粋;
固形燃料ミリタリー
1タブレットで約12分燃焼します。500mlのお湯を沸かす場合などは14g1つで約7分30秒で沸かすことができ効率的です。お茶を1杯飲む場合などは、タブレットの半分又は1/4で十分です。その為、タブレットには凹みがつけてあり、容易に分割できるようになっています。燃焼中の固形燃料に分割したタブレットを追加投入することも簡単にでき燃焼時間を調節できます。火力は1タブレットあたり98kcal。エスビット固形燃料
エスビットの固形燃料は高山や氷点下でも安定した炎で燃え、熱効率7,000kcal/kgとよく熱を発生し、煙をたてず、燃えかすを殆ど残さずに燃焼します。引火点は約400℃で自然発火や爆発もしない為、安全に保管ができます。(引火性が高い液体やガスの燃料は携行や安全の点に問題があります。又、燃えると液化するアルコール性固形燃料も同様に危険です。)
使用した感じとしては、ほんの僅かですが燃えかすは出ます。
またガスストーブでは出ない煤がコッヘルの底に付きますが、コッヘルをしまうときにビニール袋に入れれば問題解決です。
着火の際は100円ライターであぶるのですが、山頂などの風が強い状況下だとやや着火しずらい場合があり、少量の燃料用アルコールを固形燃料の上から「かけて」から着火しています。
燃料用アルコールは薬局またはAmazonなどで入手し、ナルゲンボトル30mlに入れて携行しています。
特に液漏れや揮発による嵩の減少は今の所確認できていません。
ガスストーブ
携帯性が良くコンパクトで軽量なボディでありながら、3600kcal/hと圧倒的なパワーを持っています。安定性の高い四本ゴトク、垂直に配置した点火装置により全体的にスマートなデザインです。ハイパワー、コンパクト、軽量と三拍子揃ったウルトラバーナーは、ハイキングから高所登山まで幅広く活躍します。
[プリムス製品ページ]
プリムスP-153は使用感としてはかなり火力もあり、五徳の配置が特殊なため、強風下でも風防無しで十分に使用できます。
過去に強風の山頂や雪上、小雨の中など様々な環境下で使用しましたが、このガスストーブは本当に信頼して使用出来ます。
凄まじい強風下では若干の火力低下は有りますが、風防無しでも途中で火が消える事は有りませんでした。
8年使用して全くの故障知らずで道具としての信頼性もピカイチです。
ごく稀に点火装置が作動しないことがあるため、100円ライターまたはファイヤスターターを予備の点火装置として持参しています。
EsbitチタニウムストーブとプリムスP-153の重量比較
さて気になるバーナー自体の重量ですが、
また燃料またはガス缶の重量は
ガスストーブと固形燃料の重量では圧倒的に固形燃料の方が軽量です。
EsbitチタニウムストーブとプリムスP-153の沸騰に必要な時間比較
実験環境
以下環境にて実施
- 室内のキッチンで使用。換気扇を使用してほぼ無風状態で実施
- 使用するコッヘルはEPI バックパッカーズクッカーSで蓋は使用しない
- 水道水を300ml入れ、沸騰するまでの時間を計測
- 固形燃料使用時のみ風防を追加で使用
プリムスP-153燃焼実験
ガスストーブは流石の火力で300mlの水道水が2分40秒程度で沸騰しました。
Esbitチタニウムストーブ燃焼実験
風防なし
まさかの8分台での沸騰。もう少し早く沸かせると思っていましたが、かなり時間がかかる印象です。
風防あり
風防を付けた場合は、トンネル効果なのか分かりませんが、7分程度で沸騰させることが出来ました。
ちなみに使い切れなかった固形燃料は100円均一のピルケースに冷ましてから入れています。
まとめ(一覧表)
重量は固形燃料が圧倒的に軽く、風防を入れてもガスストーブの約1/10の重さです。
湯を沸かす時間はガスストーブが圧倒的で固形燃料ストーブの約1/3程度の時間で沸かすことが出来ました。
調理時間の短縮を取るか、道具自体の軽さを取るかのトレードオフになりますが、使い勝手は圧倒的にガスストーブに軍杯が上ります。
しかし、休憩時間を多めに取れるのであれば荷物軽量化を測ったほうが良い気がします。
どちらも一長一短ですので、状況に応じて選択するのが良いかと思います。