今シーズンは早くも梅雨明け宣言がされて、いよいよ夏季登山シーズンが幕開けしてしまい、いそいそと登山計画を立てているMurabitoですが、皆さんは潤い足りていますか?
さて、今シーズンから誘われて初めて登山に行く人もいるかと思います。
そんな人達へ、これから登山を始めるにあたり、「必要な装備」や「要らない装備」を紹介します。
ここで紹介する装備は、日帰り、低山(森林限界以下)、夏季、登山経験者(ベテラン)同行者がいる状況を想定しています。
目次
どんなに登山初心者でも山に行くなら必要な装備
どんなにベテラン登山者と同行していたとしても、以下の装備は絶対に必要です。
- 雨具(レインウエア)
- 防寒具
- リュック(持ち物が入ればなんでもOK)
それでは1つづつ説明します。
雨具(レインウエア)
雨具はジャケットとパンツ上下に分かれているレインウエアで、折り畳み傘や百円均一で売っているような雨合羽では不十分です。
例えばこんなのが比較的良いかと考えます;
- 強風に耐えられず吹っ飛ぶ
- 下から雨が吹き上げるような悪天候に耐えられない
- ウインドブレーカーとして活用しずらい
- レインウエアやセーター・フリースを重ね着して防寒具として活用しずらい
登山ではレインウエアは雨具としてだけでなく、ウインドブレーカーとして使用したり、ダウン、セーターやフリースなど保温性の高いが防風性の無い衣類と重ね着する事により、防寒具としても使用します。
しかし、百円均一で売っているような雨合羽では、袖口やお腹、胸のボタンの間から風や冷気が入って来てしまい、防寒具としては使いずらいです。
そんなわけで、袖口が締めることができ、上下に分かれているレインウエアが非常に使いやすく、かつ悪天候時にみじめな思いをしなくてもすみます。
防寒具
セーターやフリース、ダウンなど、なんでも良いので、真夏でも防寒具は絶対に持参してください。
真夏でも防寒具が必要な理由は、山の上は気温が低いからです。
具体的には100m標高が上がると気温が0.6℃下がります。
日中の地上の気温が30℃なら1500mの山頂では21℃です。夕方や夜に地上の気温が25℃位に落ちた場合、山頂では16℃です。
リュック
雨具や防寒具、飲料、昼ごはんなどを入れる事ができる大きさのリュックも必要です。
ちなみに初めての登山で、いきなり登山用品店で売っているような本格的な登山用ザックは要りません。
今後、登山をずっと続けてゆく決心がついてから購入すれば十分です。
ですので、普段使っているようなリュックサックで十分です(山に持っていくと汚れてしまうので、汚れても良いやつにしましょう)。
無くても良い装備
逆に不要な装備とその理由はこちら。
- 水筒(ペットボトルが軽くて便利)
- 懐中電灯(手が塞がるため邪魔。どうせならヘッドライトにしましょう)
- レジャーシート(使わないし、どうせ汚れます)
- 熊鈴(初心者が行くような人の多い山では遭遇しないし、うるさいだけ)
今後も登山を続けるなら必要な装備
もし、今後も登山を続けるつもりなら必ず必要な装備はこちら。
- 地図とコンパス
- ヘッドライト
- 登山靴・トレッキングシューズ
地図とコンパス
本当は初心者にも必ず持って来てほしい必須装備で、必携装備として書くか最後まで迷いました。
なぜかと言うと、地図とコンパスがなければ、現在地や進むべき方向が分からなくなり、遭難に繋がります。
つまり「命を左右する装備」の一つだからです。
ベテラン登山経験者が地図とコンパスを持っており、その人からハグれなければ無くても辛うじて何とかなるとの考えで今回の記事では初心者必須装備とはしませんでした。
しかし、滑落や歩くペースの違いから、チームからハグれてしまうケースもあるので、本来は各自が必ず持っているべき装備です。
オススメのコンパスはシルバのベーシックなモデル(ベースプレートコンパス)です。
という話も聞いた事がありますが、ダメな事はありませんが、どうせ登山を続けるならベースプレートコンパスがオススメです。
- 現在地がわかる
- 地図の長さから距離を測れる
- 地図を拡大できる(ルーペがついてる)
- 定めた方向に正確に進み続ける事ができる(磁針、リング、進行線を活用)
- 磁北線(コンパスが指し示す北を示す線)を地図に書き込むのに利用できる
地図は「山と高原地図」と国土地理院の2万5千分の1地形図が使いやすいです。
「山と高原地図」は駐車場や、水場、トイレ、山小屋やテント場、危険箇所やコースタイムが記載されており、とても便利です。
しかし、地図の縮尺が5万分の1で少し大きめのため、本当に迷った場合はこの地図だけでは現在地の把握は困難です(世界地図を見て東京から大宮までのルートを探すようなもの)。
そこで、より細かい地図で便利なのが国土地理院の2万5千分の1地形図です。
国土地理院の地形図(縮尺1/25000)はトイレやコースタイムは記載されていませんが、標高、谷や尾根などの「地形」を確認するのに適した地図です。
本当に迷った場合は、現在地の地形と方角から現在地を把握する必要があるため、この地図がとても便利です。
(本来は行動開始から継続して定期的に現在地を確認しながら進むのが登山での普通です。)
国土地理院の地形図は大きい本屋でだいたい1枚300円くらいで購入できます。
私は紙媒体を本屋で購入し、磁北線(地図上の北から少しズレたコンパスが指し示す北を示す線)を書き込んで使用しています。
または国土地理院の2万5千分の1地形図のWebページから必要な部分を印刷して使うこともできます。
ヘッドライト
日帰りでもヘッドライトは必要です。
理由は、山頂は遮る物がなくて明るいですが、山の下の方は深い森なため、光が届きづらく、夕方4時頃でもかなり暗くなります。
つまり市街地よりも暗くなるのが早く、しかも街灯がないので、ライトが必須になります。
懐中電灯だとかさ張り、しかも手で持つ必要があるため非常に使いづらいです。その為、両手が空くヘッドライトが必要となります。
今欲しいヘッドライト(笑)↓
ちなみにかれこれ9年近く、こいつ↓にエネループ入れて使用していますが、不便を感じたことはありません(アルカリ電池だと結構暗いです)。
登山靴・トレッキングシューズ
登山用に設計された靴はやっぱり山では便利です。
- 岩場などゴツゴツしたところでの靴底からの突き上げでの疲労蓄積がない
- 防水・耐水性能が高い
- ハイカットなら捻挫などしづらい
- 靴底にシャフトが入っており、1点が引っかかれば全身を支えられる
しかし、かなりお高いので、こちらも登山を今後も継続すると決心してからで遅くはないです。
登山初心者でも最低限の装備を整えて登山を楽しもう
今回紹介した他にも、ザックカバー、救急セット、ガス/アルコールストーブ、コッヘル、軽アイゼンやスパッツ、ストック、テント/ツェルト、寝袋、シュラフカバー、マット、12本爪アイゼン、ピッケル、防寒手袋、など登山を続けているとドンドン欲しい物が増えて、登山用品沼におちいるのも登山の楽しみです(笑)。
しかし、あまりにも軽装で入山すると「おいおい、そんな装備で大丈夫か?」と注意されてしまいますし、イザって時に命に関わります。
登山初心者でも今回紹介した程度の最低限の装備は整えて、登山ライフを楽しみましょう!